

目覚まし時計 其の二
「今朝、僕の目覚ましは鳴らなかった」 で始まる二つのストーリー 其の二。 今朝、俺の目覚ましは鳴らなかった。 俺は大抵、目覚ましの鳴る1分前に目が覚めて 目覚ましが鳴ると同時にベルを消すのが常だった。 それなのに今朝はいつまで待っても目覚ましが鳴らない。...


目覚まし時計 其の一
「今朝、僕の目覚ましはならなかった」 で始まる二つのストーリー 其の一。 今朝、僕の目覚ましは鳴らなかった。 いや、正確に言えば今朝も、僕の目覚ましは鳴らなかった。 もっと正確に言えば、僕の目覚ましは今朝も鳴らなかった。僕にとっては。...


クリスマスの遠足
ねえ、ママ 見て! ぼく、大きくなったでしょ もうすぐクリスマスだから いっぱい食べなさいって 最近、たくさんご馳走をくれるんだよ 栄養がたくさん入ってるごはんを お腹いっぱいに食べさせてくれるの だから見てママ、 ぼく、急にこんなに大きくなったんだよ...


クスリ
先生、ワシは死んでしまうんですかのぅ。 死にますよ、必ず。 やっぱり。 ボクも死にます、必ず。 いや、そういう意味じゃなくて、ワシはもうすぐ死んでしまうんですかの。 死んでしまいそうな気がするんですか。 ええ。 どうやって死んでしまう気がするんですか。...


極刑
主文。被告人を極刑に処す。 いやぁぁ。 極刑だけは勘弁してやってください。 あの子を、あの子を極刑だけにはしないで… 静粛に願います。 いやぁぁ。誰か、誰か判決を変えてください。 お母さん、ちょっと休憩室へ行きましょう。 いや、離して。警備員さん、あの子を、あの子を助けて…...


壺を売る女
壷を売る女 ある国に壷売りの女がいた 女は壷を売って生計をたてていた 女の売る壷は、綺麗な装飾がほどこされ それはそれは見事な壷だった 夜になると女の壷は妖艶な光を放ち 男たちを虜にした 女は食う事には困らなかった 毎夜、壷を持っては酒場を練り歩き...


ママのおっぱい
ママ~、 ママのおっぱいはおいしいねぇ~ そうよ。坊やに元気に大きくなってほしいから いっぱい飲んでもらえるように ママのおっぱいは坊やの大好きな味になっているのよ うれしいな~。ママのおっぱい大好き ボク、ずっとずっとママのおっぱいを飲んでいたいな...


お金とおじいさん
お金とおじいさん あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 おじいさんは畑で野良仕事を おばあさんはおじいさんと一緒に畑仕事をしたり、家の仕事をしたりしていました。 二人は質素でつつましやかに、しかし心豊かに暮らしていました。...